ゲージの線形性と偏りの分析では、ゲージによる測定が正確かどうかが判断されます。この分析では、線形性(測定値が期待される範囲にわたってどの程度正確か)と偏り(測定値と参照値の比較)が評価されます。
ゲージの線形性と偏りの分析を実行すると、すべての参照値に対し、偏りの最適適合線のグラフが表示されます。
出力の線形性のセクションには、すべての参照値に対し、ゲージによる測定がどれぐらい一貫しているかが示されます。傾きが小さい場合、ゲージの線形性は良好です。
偏りは、測定値が参照値にどれぐらい近いかを示します。正の偏りはゲージの推定値が高すぎることを示します。負の偏りはゲージの推定値が低すぎることを示します。偏り度は、偏りの大きさを工程変動(通常は6σ)に対するパーセントで表したものです。
ゲージの測定値が、小さな参照値に対しては低く、大きな参照値に対しては高い場合、統計的に有意な傾き(傾きのp値が有意性を示す)がある可能性があり、大きな線形性を示します。この場合、偏り値は一方の極値で正、他方の極致で負になり、全体の偏りの解釈が難しくなります。
あるエンジニアが、異なる直径のさまざまなタイプのねじを製造している会社に勤めています。エンジニアは、測定システムに偏りがあるかどうか、そしてこの偏りが一定していて、ねじの外径と関連していないかどうかを調べようとしています。
すべてのねじサイズに偏りが存在し、有意です(すべての参照サイズでp値が0.05未満)。たとえば、0.25インチのねじでは、偏りの平均は0.0057583です。したがって、直径の測定値は平均して参照値より大きく測定されています。散布図の正方向に傾いている線が示すように、偏りはねじの直径とともに大きくなっています。偏りはすべてのサイズで一定していないので、測定システムには線形性の問題(p = 0.00)があることも示しています。