測定システム分析(MSA)とは

測定システム分析とは、測定システムが許容できるかどうかを判断するための方法です。連続応答変数の場合、測定システム分析を使用して測定システムによる全変動量を特定します。計数応答変数の場合、測定システム分析を使用して検査者の一貫性と正確性を評価します。

測定システム分析は、品質改善工程の重要な構成要素です。測定システムの評価は、測定システムが正確で厳密であることと、データが信頼できることを実証するためのものなので、管理図、工程能力分析、またはその他の分析の前に実行する必要があります。

測定システムとは

測定システムには、測定器、測定手順、測定者など、部品の測定に影響するすべてが含まれます。

測定システムの例

ある会社が、インターネットによる自社の宣伝効果を判断するためにアンケートを実施します。この場合、測定システム変数には、アンケートの質問の順序、アンケートを実施する従業員(測定者)、アンケートのデータを記録する方法、その他の変数が含まれます。

測定システムの変動とは

測定システムの変動は、何かを測定するときに生じる変動です。具体的には、測定システムの変動とは、繰り返し性と再現性の変動の和です。

ゲージ、手順、ソフトウェアなど、測定システムの成分が変動の要因となることもあり得ます。

測定システムの変動の例

製造会社の測定者が、キャリパーを使用してカム軸の直径を測定します。カム軸の既知の標準は、直径5cmです。複数回測定すると、測定値は5.01cm、4.99cm、4.97cm、5.03cm、5.01cmでした。測定値の変動は、測定システムの変動に起因します。

測定者が異なる部品を測定していたとすると、差は測定システムの変動によるものでしょうか、それとも部品の違いによるものでしょうか。測定システムの変動が部品間変動に比べて大きい場合は、測定から得られる情報は有益ではないかもしれません。