アシスタントと[統計]メニューでの属性の一致性分析の違い

主な違いは、各検査者が各対象を複数回評価する反復実験で、各コマンドによって一致がどのように定義されるかです。アシスタント > 測定システム分析(MSA) > 属性の一致性分析では、各反復が1回の一致の機会と定義されます。一方、統計 > 品質ツール > 属性の一致性分析では、反復の各セットが1回の一致の機会と定義されます。

たとえば、各検査者が各対象を3回評価するとします。検査者Aが、対象Aについて3回中2回標準に正しく一致した場合、統計 > 品質ツール > 属性の一致性分析では、検査者Aによる対象Aの評価は1回の機会で0回一致したとされます。しかし、アシスタント > 測定システム分析(MSA) > 属性の一致性分析では、検査者Aによる対象Aの評価は3回の機会で2回一致したとされます。

同様に、検査者Bが対象Bについて3回中3回標準に正しく一致した場合、統計 > 品質ツール > 属性の一致性分析では、検査者Bによる対象Bの評価は1回の機会で1回一致したとされます。 しかしアシスタント > 測定システム分析(MSA) > 属性の一致性分析では、検査者Bによる対象Bの評価は3回の機会で3回一致したとされます。

両方のコマンドを使用して分析すると、一致の数え方が異なるため、同じデータから異なる一致率が出力される可能性があります。

その他に次のような違いがあります。
  • アシスタントの属性の一致性分析には、2値の評価と既知の標準が必要です。統計メニューでは、3つ以上の水準、名義評価または順序評価を使用でき、既知の標準は任意です。
  • アシスタントの属性の一致性分析では、検査者間の一致は評価されません。各検査者と標準間の一致、すべての検査者と標準間の一致のみが評価されます。統計メニューでは、これらの評価に加え、検査者間の一致の評価が提供されます。
  • 統計メニューでは、観測された一致の統計的有意性を評価するp値が計算されます。アシスタントでは、p値は計算されませんが、信頼区間を使用して観測された一致の統計的有意性を評価できます。