この例では、測定者のp値は0.773です。p値が0.05より大きいため、帰無仮説を棄却できず、平均強度測定値は、測定を行う測定者におそらく依存しないと結論付けることができます。部品(測定者)のp値は0.000で、0.05より小さくなっています。各測定者内で枝分かれしている異なる部品間の平均測定値には有意な差があります。
測定者が部品を1回しか測定できない場合(破壊試験を行う場合など)は、同じバッチ内のすべての部品が、同一であると断言できるほど一致していなければなりません。この条件が満たされていないと、バッチ内の部品間にある変動によって、測定システムの変動の一部が隠れてしまいます。
繰り返し性と再現性に起因するばらつきはほとんどないことが理想的です。部品(部品間)の差は、ばらつきの大部分を占める必要があります。
要因 | 分散成分 | (分散成分の)寄与度 |
---|---|---|
合計ゲージR&R | 0.14601 | 5.62 |
繰り返し性 | 0.14601 | 5.62 |
再現性 | 0.00000 | 0.00 |
部品間 | 2.45079 | 94.38 |
全変動 | 2.59679 | 100.00 |
合計ゲージR&Rの寄与度は5.62%で、部品間変動は94.38%です。部品間変動の寄与度が高い場合、測定システムは確実に部品を区別できます。
要因 | 標準偏差 (SD) | 基準変動 (6×SD) | %基準変動(%SV) |
---|---|---|---|
合計ゲージR&R | 0.38211 | 2.29265 | 23.71 |
繰り返し性 | 0.38211 | 2.29265 | 23.71 |
再現性 | 0.00000 | 0.00000 | 0.00 |
部品間 | 1.56550 | 9.39300 | 97.15 |
全変動 | 1.61146 | 9.66874 | 100.00 |
パーセント基準変動(%基準変動)を使用して、測定システムの変動と全変動を比較します。%基準変動では、工程標準偏差の6倍として定義される工程変動を使用します。Minitabでは、許容値を入力すると%公差の列が表示され、過去の標準偏差を入力したときに%工程変動の列が表示されます。
AIAGのガイドラインによれば、測定システムの変動が工程変動の10%未満であれば、測定システムを許容できます。合計ゲージR&Rは基準変動の約23.71%です。この合計ゲージR&R変動は用途によっては許容できる場合があります。測定システムを改善するための修正措置には、測定者のトレーニングや、より優れたゲージの入手などがあります。詳細は、測定システムは許容範囲内かを参照してください。
分散成分グラフには、測定値エラーのソースから分散が表示されます。許容値を入力すると%公差のバーが表示され、過去の標準偏差を入力すると%工程変動のバーが表示されます。
このグラフでは、変動のほとんどが部品間変動です。これは、測定システムの変動のほとんどが、部品間の差によるものであることを示しています。