計数ゲージ分析 (分析法)の方法と計算式

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偏り

偏りは、参照部品の既知の標準値と観測された平均測定値の差として計算されます。

実際の測定値が未知の場合、計数ゲージ分析 (分析法)では、次のように偏りを推定します。
下側公差限界での偏りの点推定
偏り = 下側限界 + 切片 / 傾き
上側公差限界での偏りの点推定
偏り = 上側限界 + 切片 / 傾き

両計算式の切片と傾きは、確率プロットの適合線のものです。

Minitabでは、参照値XTにおけるzスコアΦ-1(確率(許容数))を回帰推定し、切片と傾きを計算します。

調整前の繰り返し性

調整前の繰り返し性とは、過大評価について調整する前に算出された繰り返し性です。

計算式

Minitabでは、調整前の繰り返し性は、次の計算式によって推定されます。

表記

用語説明
XT許容確率0.995および0.005での推定参照値を表します。この値は、確率プロット上の適合線から計算されます。

繰り返し性

繰り返し性は、測定システムの変動がどの程度ゲージに起因するかを表します。計数ゲージ分析では、参照値における許容確率を回帰推定し、繰り返し性を推定します。

調整前の繰り返し性とは、過大評価について調整する前に算出された繰り返し性です。Minitabでは、繰り返し性の推定値を調整因子1.08で割り、調整された繰り返し性を算出します。

計算式

Minitabでは、繰り返し性は、次の計算式によって推定されます。

表記

用語説明
XT許容確率0.995および0.005での推定参照値を表します。この値は、確率プロット上の適合線から計算されます。

分母の1.08は、Automotive Industry Action Group (AIAG)1から提供された調整因子です。調整された繰り返し性の値は偏り = 0を検定するために使用されます。

AIAG法のT

計算式

回帰法を使用して偏り = 0を検定するために、Minitabでは次の計算式を使用します。

表記

分母は繰り返し性の計算式です。
用語説明
XT許容確率0.995および0.005での推定参照値を表します。この値は、確率プロット上の適合線から計算されます。
31.3と1.08の値は、ケース固有のシミュレーション結果です。このケースでは、すべての部品に対して20回の試行を行い、次の項目がすべて該当します。
  • 6つの部品は許容数が1以上19以下
  • 1つの部品は許容数が0
  • 1つの部品は許容数が20

回帰法のT

計算式

回帰法を使用して偏り = 0を検定するために、Minitabでは次の計算式を使用します。

表記

用語説明
a確率プロットの適合線の切片
b確率プロットの適合線の傾き
LL下側公差限界
s適合線を使用して計算された誤差標準偏差
K部品数
xi各部品の参照値
参照値の平均

AIAG法の自由度

自由度は、p値を計算するために使用されます。

自由度 = N – 1

表記

用語説明
N試行回数

回帰法の自由度

自由度は、p値を計算するために使用されます。

自由度 = N – 2

表記

用語説明
N適合線を得るために使用される点の数

p値

p値は、仮説検定で帰無仮説を棄却できるかどうかを決定するために使用されます。

測定システムの偏りが統計的に有意かどうかを決定するには、p値と有意水準を比較します。通常、0.05の有意水準(αまたはアルファと呼ばれる)は適切です。0.05の有意水準は、有意な偏りがないときに偏りが存在すると結論付ける確率が5%あることを示しています。

適合線

適合線とは、許容確率と測定対象部品の参照値との関係を調べるための回帰直線です。

適合線の一般的な形式は、Y = b0 + b1 Xです。

Minitabでは、参照値XTにおけるzスコアΦ-1(確率(許容数))を回帰推定し、切片と傾きを求めます。

表記

用語説明
b0切片—回帰直線の垂直位置を決定する定数
b1回帰直線の傾き
X予測変数値

適合線のR二乗

適合線のR二乗は、データに対する適合線の適合度を調べる際に使用される決定係数です。適合回帰直線のR二乗(R2)値は、回帰モデルによって説明できる合格率応答の変動のパーセンテージを示します。

R2 = 1 - (SS誤差 / SS合計)

表記

用語説明
SS誤差誤差の平方和
SS合計平方和の合計
1 Automotive Industry Action Group (AIAG) (2010). Measurement Systems Analysis Reference Manual, 4th edition. Chrysler, Ford, General Motors Supplier Quality Requirements Task Force.