移動範囲では、データをサブグループではなく個別の測定値として収集する場合に、時間の経過に伴う変動の変化を測定します。連続する2つ以上の観測値の範囲と等しくなります。
個別の観測値としてデータを収集する場合は、各サブグループの標準偏差は計算できません。このような場合は、全サブグループについての移動範囲の平均と移動範囲の中央値を工程の変動を推定する代替手段とします。移動範囲の管理図を作成して、個別の観測値があるときの工程の変動を追跡できます。
応答時間 | 値の範囲 | 長さ2の移動範囲 |
---|---|---|
22 | − | − |
35 | (35−22) | 13 |
40 | (40−35) | 5 |
20 | (20−40) | 20 |
10 | (10−20) | 10 |
15 | (15−10) | 5 |
データが周期的な場合は、別の長さの移動範囲を使用することもできます。たとえば、四半期別データを収集する場合、長さ4の移動範囲を使用して、確実に各季節の観測値の1つを計算に含めることができます。これを実行するには、4つの連続する観測値の中の最大値から最小値を引きます。上記の例で長さ4の移動範囲を計算する場合、最初の移動範囲値は、40 - 20 = 20になります。
平方逐次的差分の平均(MSSD)は、分散の推定値として使用します。連続する観測値間の差を二乗してその和をとり、その和の平均を2で割って求めます。
2つの連続点が合理的なサブグループを形成して、移動範囲法を使用することを仮定できない場合は、MSSD法がその代わりになります。標準偏差の推定値として使用するには、MSSDの平方根を取ります。
0.500 ml | 0.480 ml | 0.490 ml | 0.500 ml |
0.505 ml | 0.500 ml | 0.490 ml | 0.498 ml |
0.500 ml | 0.479 ml | 0.490 ml | 0.510 ml |