使用する管理図は、収集するのが連続データなのか、属性データなのかによって異なります。複数の連続変数がある場合は、データが多変量データなのかどうかを検討します。属性データには、二項とポアソンという2つのサブタイプがあります。
連続変数は、234.8や0.01など、無限数の値を持つことができます。属性変数の値は、指定されたカテゴリや離散値に制限されます。たとえば、属性値には「合格」と「不合格」のカテゴリを含めることができます。サンプルの欠陥数は、属性変数と見なすこともできます。
一般に連続測定値では属性データよりも詳細な情報が得られます。一方、属性データは収集が容易です。したがって、多くの場合属性データは連続測定値を得るのが困難な場合に収集します。通常、属性データは測定者または品質管理担当者による主観的な評定です。
連続データでは、長さ、重量、温度など、部品または工程の特性を測定します。このデータには小数値が含まれることがよくあります。
たとえば、ある食品メーカーが、長期間に渡ってシリアル製品の重量が一定であるかどうかを調査します。データを収集するために、品質分析者は箱入りシリアルのサンプルの重量を記録します。
サブグループで連続データを収集した場合は、
のいずれかの管理図を使用します。個別の観測値として連続データを収集した場合は、
のいずれかの管理図を使用します。同じ工程から複数の連続変数を収集すると、多変量データが得られます。変数が相関している場合は、1つの多変量管理データで多重変数を監視できます。たとえば、射出成形されるプラスチック部品の生産工程について温度と圧力の両方を監視できます。
単変量管理図と多変量管理図のどちらを使用するか判断するには、変数の相関行列を作成します。変数が相関している場合は、多変量管理図の作成を検討します。
こうした値の歪みは、測定変数の数が多いほど大きくなります。
ただし、多変量管理図は従来のShewhart管理図よりも難しい解釈が必要です。たとえば、多変量管理図のスケールは、どの変数のスケールとも関係がありません。また、多変量管理図の管理外信号では、信号の原因となる変数(または変数の組み合わせ)が示されません。
複数の相関変数から連続データを収集した場合は、
のいずれかの管理図を使用します。管理図では、属性データは通常、不適合性(欠陥とも呼ばれる)または不適合ユニット(不良とも呼ばれる)の度数です。不適合性は品質の特性に対して言及し、不適合ユニットは製品全体に対して言及するものです。1つのユニットが多数の不適合性を持つこともありますが、ユニット自体は適合または不適合のいずれかになります。たとえば、金属パネルの傷は不適合性です。傷が複数ある場合は、パネル全体が不適合であると見なされる可能性があります。
属性データがある場合は、
のいずれかの管理図を使用します。希少事象の管理図では、事象間の時間や機会数が示されます。希少事象の管理図にプロットされた点の位置が高いほど、事象間の時間は長くなります。管理図にプロットされた点の位置が低いほど、事象間の時間は短くなります。
発生頻度が低いため従来の管理図(Xbar-R管理図やP管理図など)ではデータを監視できない事象もあります。院内感染、投薬ミス、または欠陥率の低い製造工程などが希少事象の例として挙げられます。
希少事象データがある場合は、
のいずれかの管理図を使用します。