CUSUM管理図では、目標値からの各サンプル値の偏差の累積和(CUSUM)がプロットされます。CUSUM管理図は累積値であるため、工程平均のわずかなずれによっても累積偏差値が確実に増加(または減少)することになります。
表形式CUSUMまたはV-mask CUSUMを作成することができます。
表形式CUSUM (累積和)
2つの表形式CUSUMを有するCUSUM管理図は、次からなります。
- プロットされた点(ドット)。目標値より上方にある偏差の累積和です。
- プロットされた点(ひし形)。目標値より下方にある偏差の累積和です。
- 中心線。ゼロに位置しています。
- 管理限界。中心線から4標準偏差に位置します。
表形式のCUSUM管理図では、次を探してください。
- 上側および下側累積和における上向きまたは下向きのトレンド。プロットされた点は、ゼロ周辺でランダムに変動するはずです。上向きまたは下向きのトレンドがある場合は、工程平均にずれが生じており、工程が特殊原因による影響を受けている可能性があります。
- 管理限界を超えて位置する点。これは工程が管理外にあることを示しています。
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これらの結果では、24番目のサブグループ以降について、下側累積和が管理外状態を示しています。赤色の三角形で示される、これらの管理外のデータ点は、下側管理限界より下にあります。赤い点にポインタを置くと、その点の詳細が表示されます。
V-mask CUSUM
1つのV-maskを有するCUSUM管理図は、次からなります。
- プロットされた点。目標値からのサンプル値の偏差の累積和です。
- V-mask。管理限界に代わり、管理外の点を特定します。V-maskは目標値からの偏差を標準化し、その値から偏差をプロットします。
V-mask CUSUM管理図では、次を探してください。
- 累積和における上向きまたは下向きのトレンド。上向きまたは下向きのトレンドがある場合は、工程平均にずれが生じており、工程が特殊原因による影響を受けている可能性があります。
- V-maskを超えて位置する点。これは工程が管理外にあることを示しています。
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これらの結果では、工程平均のずれがサブグループ20以降で発生したため、V-maskの中心はサブグループ20に設定されています。その後、累積和では下向きのトレンドが始まり、工程平均にずれが生じたことを示しています。