尤度比検定とは

尤度比検定は、2つのモデルの適合度検定を比較する仮説検定です。すべてのパラメータが自由な無制約モデルと少ないパラメータを持ち、そのパラメータに関する帰無仮説の制約を受けるモデルを比較することで、どちらがサンプルデータによく適合しているかを判定します。

尤度比検定を使用した分布適合の比較の例

たとえば、尤度比検定を使用して1-パラメータ指数分布と無制約2-パラメータ指数分布を比較します。尤度比検定p値がα水準(通常は0.05か0.10)よりも低かった場合、手持ちのデータには1-パラメータ指数分布よりも無制約2-パラメータ指数分布モデルの方が有意に良好な適合度を示していると結論付けられます。

Minitabでの制約モデルと無制約モデルの比較方法

比較は、無制約モデルの尤度関数の最大値に対する制約モデルの尤度関数の最大値の割合に基づいて計算されます。この割合の値が比較的小さければ、サンプルデータには、帰無仮説の制約を受ける単純なモデルよりも、無制約モデルが適合すると結論付けることができます。

λを尤度比の値としたとき、大サンプル(-2lnλ)は、無制約モデルと制約モデルそれぞれが持つ自由なパラメータの数の差に等しい自由度を持つカイ二乗分布に従います。したがって、Minitabではカイ二乗分布を使った尤度比検定p値が多く使用されます。