データ変換とは

正規工程能力分析などの正規データ用の工程能力分析を使用する場合、データは正規分布に従っている必要があります。データが正規でない場合、分析の結果は正確になりません。ただし、正規分布により近く従うように値を変更する関数をデータに適用することによって非正規データを変換できる場合があります。

たとえば、ピザの配達に必要な時間について工程能力分析を実行するとします。配達に必要な時間の最小値はありますが、最大値は設定されていないので、データは右側に歪みます。変換を適用すると、データの大きな歪みを排除できます。

変換前

ピザの配達時間は右側に歪んでおり、正規分布のようには見えません。

変換後

データを変換すると、正規分布により近づきます。

ボックス-コックス変換での処理

ボックス-コックス変換はべき変換で、W = Y**λで表されます。

λの最適推定値は-5から5の範囲の任意の数値にすることができますが、実際の状況では、平方根(λ = 0.5)や自然対数(λ = 0)などのわかりやすい変換に対応するλ値にすることができます。

ジョンソン変換での処理

ジョンソン変換ではボックス-コックス変換とは異なるアルゴリズムを使用します。ジョンソン変換の関数は、ジョンソンシステムにある3つの関数族から選択します。関数はパラメータを変えることで各種の分布をカバーするため、通常は許容できる変換を見つけられます。Minitabが選択する族は最適変換タイプと呼ばれます。

データ変換を使用して正規分布の工程能力を分析する

データが非正規の場合は、正規分布の工程能力分析を使用できるように、変換を試してみることができます。

  1. 統計 > 品質ツール > 工程能力分析 > 正規を選択します。変換をクリックします。
  2. 変換を選択します。
    ボックス-コックス変換
    この変換はわかりやすく、サブグループ内と全体の両方の工程能力統計量を求めることができます。
    ジョンソン変換
    この変換は非常に有効で、ゼロおよび負の値を含むデータに使用できますが、より複雑であり、全体的な工程能力統計量のみを求めることができます。この変換は、ボックス-コックス変換で適切な変換が見つからない場合に使用してください。
  3. 必要に応じて変換オプションを指定し、OKをクリックします。
データの変換が正常に実行されない場合は、個別の分布の識別を使用して非正規分布を調査し、非正規工程能力分析を使用できるようにします。