欠陥と不良とは

顧客は、製品やサービスが規格を満たしていることを期待します。規格が満たされていないとき、欠陥または不良が存在していると言います。
欠陥

欠陥とは、規格からの逸脱を呈す項目またはサービスを指します。欠陥があっても、必ずしも製品またはサービスが使用できないとは限りません。単に製品が意図どおりに生産(または提供)されなかったことを意味します。

たとえば、レストランでのサービスが評価されているとします。席に着いてから最初にウェイターが来るまで5分かかった場合、お客は注文をして食事を楽しむことができますが、迅速な接客に対する期待は満たされていません。したがって、これはサービスの欠陥(「接客が遅い」)と見なされる可能性があります。

欠陥

不良とは、完全に使用不可と見なされる項目またはサービスを指します。各項目またはサービス経験は不良か不良でないかのいずれかであり、2つの選択肢しかありません。

使用不能な部品が出荷されないように、品質検査者が最終出荷前に自動車部品を評価し、各項目を「合格」または「不合格」として評定します。

欠陥と不良の比較

不良品には1つ以上の欠陥があります。ただし、欠陥がある項目がすべて不良というわけではありません。不良かどうかは欠陥の重大度によって左右されます。新車には、欠陥がいくつか含まれている可能性があり、顧客が気付かないような欠陥がある場合もあります。ただし、測定および報告された欠陥が含まれている車(または車の部品)は、不良と見なされることがあります。

ローン申し込みの処理について考えてみます。この場合、処理を行うのは顧客です。欠陥がいくつあったかを調べることにしました。申し込み書には、36の項目があります。50の申し込み書をサンプル抽出して欠陥率を推定します。あるサンプルには不正確な項目が7つありました。つまり、この申込み書には7つの欠陥があります。別のサンプルには不正確な項目が4つありました。つまり、この申込み書には4つの欠陥があります。

全体では、18の申込み書に少なくとも1つの欠陥があったので、50のうち18の申込み書に欠陥があったことになります。全体で機会数1800(申込み書あたり36の機会*50の申込み書)に対して合計62の欠陥が見つかりました。

欠陥および不良データの分析

使用する統計分析の種類は、評価するのが欠陥なのか、不良なのかによって異なります。
  • 不良を評価するには、1サンプルの比率検定、2サンプルの比率検定、P管理図、NP管理図、二項分布の工程能力分析など、二項分布確率モデルに基づく分析を使用します。これらの分析では、工程の不良率が評価されます。
  • 欠陥を評価するには、1サンプルポアソン率検定、2サンプルポアソン率検定、C管理図、U管理図、ポアソン工程能力分析など、ポアソン確率モデルに基づく分析を使用します。これらの分析では、工程の欠陥率が評価されます。

欠陥を示すために「不適合性」という用語が使用されることがあります。不良品を示すために「不適合」という用語が使用されることがあります。