工程能力分析のデータの種類

適切な工程能力分析を選択するには、使用するデータの種類を判断します。工程能力分析のデータには、主に連続データと属性データの2種類があります。Minitabでは、連続データには正規分析と非正規分析、属性データには二項分析とポアソン分析が用意されています。

収集するデータとして連続データか属性データのいずれかを選択できる場合、一般により多くかつ客観的な情報を得られるため、連続データを収集することをお勧めします。属性データは収集しやすいため、連続測定データを得るのが困難な場合によく使用されます。

連続データ

連続データでは、長さ、重量、温度など、部品または工程の特性を測定します。このデータには小数値が含まれることがよくあります。たとえば、ある食品メーカーが、長期間に渡ってシリアル製品の重量が一定であるかどうかを調査します。データを収集するために、品質分析者は箱入りシリアルのサンプルの重量を記録します。

工業工程の連続データは、多くの場合、正規分布に従います。正規分布に従わない連続データは、ワイブル分布や指数分布など特定の非正規分布タイプに従う場合があります。また、正規分布に適合するように非正規分布を変換できることもあります。

属性データ

属性データは一般的に、物理的な性質、欠陥のタイプ、評定(合格/不合格)など、特性または条件の有無を数えます。属性データは通常、主観的な評価に左右されるため、評価者の解釈による影響を受けます。属性データには、主に欠陥(不適合)の度数と不良(不適合品)度数という2種類があります。

欠陥とは、裂け目、傷、変色など、製品の特定な品質特性を指します。各製品には、複数の欠陥が存在する場合があり、欠陥があることによって、その製品が必ずしも使用不能というわけではありません。たとえば、繊維会社の分析担当者が、タオルの裂け目、ほつれ、縫い目の不備がないかどうかを調べ、25枚のバッチ単位で欠陥数を記録するとします。裂け目が1か所、糸のほつれが1か所など、1枚のタオルに複数の欠陥が見つかる場合があります。欠陥を監視する場合には、ポアソンデータを収集します。

不良とは、製品の全体的な状態が許容範囲内かどうかを指します。したがって、データは多くの場合、はい/いいえ、合格/不合格、不良/非不良の形式をとります。製品は多数の品質特性を持つことができるので、多数の欠陥が存在する場合がありますが、製品自体は不良または非不良のいずれかになります。たとえば、供給元の電球サンプルを調べ、各サンプル内の破損している電球数を数えます。不良を監視する場合には、二項データを収集します。