ユニットあたりの機会とは

1つの製品またはサービスにおいて欠陥が発生する機会の数。機会数を定義するには、工程を調べ、顧客を満足させるために正常でなければならない出力または機能を決めます。生産物または機能それぞれに、正常になるあるいは正常にならない機会があります。一度機会を定義した後は、その定義を維持する必要があります。次に例を示します。
  • カスタム印刷注文の場合は、各注文それぞれに不正確、誤植、損傷、または不完全の欠陥の可能性があるので、機会数は4になります。
  • 12個の部品と22箇所のはんだ接合部がある回路基盤では各部品内または、はんだ接合において欠陥が発生する機会が34あります。

ある調査領域について3種類の欠陥の有無を調べる場合、各部品に対して3つすべての欠陥タイプをチェックする場合にのみこれを機会数3とみなします。欠陥が1つでもあれば部品をスクラップする場合は、機会数1とみなします。

機会数を数える方法により、欠陥率を単位ベースから工程ベースに(DPUからDPMOおよびσ水準に)変換できます。このような変換は、必ずしも同じ条件下にない製品やサービスを比較する場合に必要になります。たとえば、2つのカスタム印刷工程のDPU率がどちらも0.14である場合があります。工程Aの注文あたりの機会数が4であれば、DPO率は0.035になります。工程Bの注文あたりの機会数が8であれば、DPO率は0.0175になります。

機会数で表す工程の複雑度

複雑度は、特定の製品またはサービスの複雑さの程度を表したもので、複雑度が高い工程ほど機会が多くなります。複雑度を正確に表すのは困難ですが、通常は簡単な計数を使用して妥当な推定値を得ることができます。この計数を機会数と呼びます。

たとえば、25個の部品と48個のはんだ接合部をもつ回路基盤は、12個の部品と22個のはんだ接合部を持つ回路基盤よりも複雑度が高く、機会も多くなります。上記の最初の例の機会計数は25 + 48 = 73で、2番目の例は12 + 22 = 34になります。