潜在的な工程能力と全体の工程能力の比較

工程能力の評価のほとんどは、潜在的な(サブグループ内)工程能力と全体の工程能力の2つのカテゴリに分類できます。それぞれは工程能力の一意な測定値を表します。
潜在的な工程能力
潜在的な工程能力は、「適格」工程とも呼ばれます。潜在的な工程能力を評価する工程能力インデックスには、Cp、CPU、CPL、およびCpkがあります。
全体の工程能力
全体の工程能力は顧客が長期的に体験するもので、サブグループ間の差を含む、工程の全体の変動を示します。全体の工程能力を評価する工程能力インデックスには、Pp、PPU、PPL、Ppk、およびCpmがあります。

全体工程変動とサブグループ内変動の例

キャンディ工場に、一定の重さのキャンディを容器に詰める機械があります。キャンディは毎日出荷されます。この工程の工程能力を評価するために、6時間おきにキャンディを詰めた袋のサンプルを計量します。各サンプルは、分析のサブグループを表します。

各サブグループ内の変動は小さいですが、すべての袋の重量の全体の変動はそれよりかなり大きくなります。そのため、1日の全体の出荷重量の変動は、1日に生産された袋の重量の変動よりも大きくなります。

潜在的な工程能力と全体の工程能力

小さい分布曲線は、各サンプルの袋の重量の分布を示しています。単一の大きな分布曲線は、サブグループの集約データである1日全体の出荷を表しています。

全体の工程能力は、すべての工程データを集約して得た変動に基づき、これは大きな曲線で示されます。全体の工程能力は顧客が体験する実際の工程性能であり、実際の工程能力または長期工程能力とも呼ばれます。

潜在的な工程能力では、サブグループ間の変動のみが考慮され、各変動は小さな曲線で示されます。サブグループ間の変動がなかった場合に工程がどれほど効率よく遂行できるかを示します。これは短期工程能力とも呼ばれます。

潜在的な工程能力は、正規データに対してのみ計算されます。

サブグループ間の変動の効果は、潜在的な工程能力と全体の工程能力を比較することによって評価できます。これらの差が大きい場合は、サブグループ間に大きな変動があり、工程の安定性に改善の余地があります。