規格限界とは

規格限界とは、製品またはサービスが機能する範囲を定める値です。通常、規格限界は顧客の要件によって設定されます。たとえば、出荷処理のためのラベルを印刷するとします。ラベルが大きすぎたり小さすぎたりすると、プリンターに正しく送ることができなくなります。

上側規格限界と下側規格限界の例

LSL = 2.5 USL = 2.687

上側規格限界が2.50インチ、下側規格限界が2.687インチです。2.5インチより小さいか、2.687インチより大きいラベルは、すべて許容されません。

LSL = 80

規格限界を1つだけ使用する場合がよくあります。たとえば、ある化学薬品会社では、純度が最低でも80%の不活性ガスが必要です。この場合、下側規格限界を設定しますが、純度がより高い方がよいので、上側規格限界は設定しません。

USL = 30

逆に、30秒以内に電話に出なければならないコールセンターを想定してみます。この例の場合、電話には早く出るほど望ましいので上側規格についてのみ考慮します。

規格限界と管理限界の違い

管理限界は、工程データから計算されます。これは、工程の実際の性能を表します。規格限界は顧客によって定められるもので、工程の望ましい性能を表します。

規格限界と管理限界は、異なる目的に使用されます。管理限界では、工程が安定しているかどうかを評価できます。規格限界では、工程が顧客の要件をどの程度満たすのかを評価できます。

どのようなときに規格限界を境界として定義するのか

工程には、規格限界の代わりに境界が存在する場合があります。データが規格限界を超えることが不可能である場合にのみ、規格限界を境界として定義します。たとえば、化学薬品工場で活性化ガスの純度(%)を測定し、100%の上側規格限界を境界として定義します。

統計 > 品質ツール > 工程能力分析 > 正規を選択します。境界にチェックマークを付け、規格限界が境界であることを示します。

Minitabで規格限界の一方を境界と置き換えると、片側工程能力分析になります。両側の規格限界を境界として選択した場合、出力される工程能力のすべての統計量には、値の代わりにアスタリスク(*)が表示されます。