Johnson変換では、標準正規分布への変換が容易な変数の3つの分布族の中から、最適な関数が選択されます。これらの分布には、SB、SL、およびSUというラベルが付けられており、B、L、およびUは、それぞれ限界あり(Bounded)、対数正規(Lognormal)、および限界なし(Unbounded)の変数を意味します。Minitabでは、分布のパラメータを、第1形状、第2形状、位置、および尺度として識別しています。詳細は、個別の分布の識別での変換の方法と計算式で「Johnson変換の方法と計算式」をクリックしてください。
両方の規格限界が変換関数の範囲内にある場合、Minitabでは、変換されたデータの正規分布に基づいて、全体の工程能力のインデックスが計算されます。詳細は、正規工程能力分析における全体の工程能力測定の方法と計算式を参照してください。
選択した族がSBまたはSLタイプで、下側または上側規格限界が分布の範囲外になっている場合、Minitabでは、追加の計算を実行して全体の工程能力のインデックスが算出されます。
変換前に規格限界(X)の少なくとも1つが分布の範囲外(ε < X < ε + λではない)になっている場合、Pp、Ppk、PPL、PPU、Z.LSL、およびZ.USLは次にようにして計算されます。
まず、変換された空間で百分位数が計算されます。
3つのZ値を使用して、元の空間で対応するX1、X2、およびX3の各値が計算されます。
次に、X値および規格限界内の値から、全体の工程能力のインデックスが計算されます。
Term | Description |
---|---|
LSL | 下側規格限界 |
USL | 上側規格限界 |
変換されたデータのサンプル平均(X) | |
Toler | 標準偏差の許容限界 |
s | 変換されたデータのサンプル標準偏差 |
ε, | Johnson変換の位置パラメータ |
Y | Johnson変換の形状パラメータ |
η | Johnson変換の形状パラメータ(η > 0) |
λ | Johnson変換の尺度パラメータ(λ > 0) |
SB分布のベンチマークZ値と期待される性能値の計算式は、X2に対して相対的なLSLとUSLの位置、および分布の限界に応じて決まります。
Z.Benchがありません
PPM < LSL = 0
PPM > USL = 0
PPM合計 = 0
範囲外の規格限界のPPM = 0
範囲内の規格限界のPPM = p*1000000
PPM合計 = p*1000000
Minitabでは、変換されたデータと変換された規格限界を使用してPPMが計算されます。
Z.Benchがありません
PPM < LSL = 0
PPM > USL = 1
PPM合計 = 1
PPM < LSL = 0
PPM > USL = p*1000000
PPM合計 = PPM > USL
Minitabでは、変換されたデータと変換された規格限界を使用してPPMが計算されます。
Z.Benchがありません
PPM < LSL = 1
PPM > USL = 0
PPM合計 = 1
PPM < LSL = p*1000000
PPM > USL = 0
PPM合計 = PPM < LSL
Minitabでは、変換されたデータと変換された規格限界を使用してPPMが計算されます。
変換前に規格限界の少なくとも1つが分布の範囲外にある場合、Minitabでは、上記のSB分布の場合と同じ方法を使用して、Pp、Ppk、PPL、PPU、Z.LSL、およびZ.USLが計算されます。唯一の違いは、変換された値Zから元の値Xを算出する場合の計算式です。
Z.Benchがありません
PPM < LSL = 0
PPM > USL = 1
PPM合計 = 1
PPM < LSL = 0
PPM > USL = p*1000000
PPM合計 = PPM > USL
Term | Description |
---|---|
標準正規分布の逆累積分布関数(cdf) | |
p | 変換された規格限界外にある変換されたデータの確率 |