Capability Sixpack間/内の主要な結果の解釈

サブグループ間/内工程能力シックスパックを解釈するには、次の手順を実行します。主要な出力には、管理図、確率プロット、および工程能力インデックスが含まれます。

ステップ1: データに問題がないかを確認する

工程が安定していて、工程の元のデータ(または変換データ)が正規分布に従っている必要があります。管理図と確率分布プロットにより、これらの要件が満たされているかどうかを評価できます。

工程が安定しているかどうかを調べる

管理図により、データの管理外れの点およびパターンとトレンドを識別することによって、工程の安定性を監視することができます。

赤の点は、観測値が特殊原因についての1つ以上のテストで不合格となり、正常に管理されていないことを示しています。管理外れの点がある場合は、工程が安定しておらず、工程能力分析の結果が信頼できないことを示します。管理外れの点の原因を特定し、特殊原因による変動を排除してから、工程能力を分析する必要があります。

これらの管理図では、点は、中心線の周囲にランダムに広がっており、両方の管理図で管理限界の範囲内にあります。トレンドまたはパターンは見られません。工程の変動は安定しています。

すべてのデータの管理図に表示される管理図のタイプは、サブグループのサイズによって異なります。サブグループサイズが8以下の場合には、R管理図が表示されます。サブグループサイズが9以上の場合には、S管理図が表示されます。

データの正規性を評価する

正規確率プロットは、データは正規分布に従うという要件について評価するために使用します。

正規分布がデータにうまくあてはまる場合には、各点によりほぼ直線が形成され、信頼限界の間に位置する適合線に沿って表示されます。この直線から逸脱する場合は、正規性から逸脱していることを示します。p値が0.05より大きい場合には、データは正規分布に従うと仮定することができます。その工程の工程能力は、正規分布を使用して評価できます。

p値が0.05より小さい場合は、データに正規性がなく、工程能力分析の結果が正確でなくなる可能性があります。工程能力分析を実行するために、データを変換するか、または非正規分布を適合する必要があるかどうかを判断するには、個別の分布の識別を使用します。

データが非正規の場合、この分析に含まれている変換オプションを使用してデータを変換できます。非正規分布をデータに適合するには、非正規工程能力シックスパックを使用します。

主要な結果: p値

このプロットでは、点は適合線(中間)にほぼ沿っています。p値は0.05よりも大きいため、データが正規分布に従っていないことを示す十分な証拠はありません。これらのデータはサブグループ間/内工程能力分析を使用して評価できます。

ステップ2: 工程の観測された性能を調べる

工程能力ヒストグラムを使用して、サンプル観測値を工程要件と視覚的に比較します。

工程広がりを調べる

ヒストグラムでデータと下側および上側規格限界との関係を視覚的に調べます。データの広がりが規格広がりより狭く、すべてのデータが規格限界内にあるのが理想的です。規格限界外のデータは不適合項目を表します。

このヒストグラムでは、工程広がりが規格広がりよりも大きく、これは工程能力が低いことを示しています。ほとんどのデータは管理限界内にありますが、下側規格限界(LSL)より低い不適合品や上側規格限界(USL)より高い不適合品があります。

Note

工程内の不適合品の実際の数を調べるには、PPMの結果を使用します。

工程の中心を評価する

工程が規格限界の間で中心化されているか、または目標値がある場合にはその目標値で中心化されているかどうかを評価します。データの中心は、分布曲線のピークにあり、サンプル平均によって推定されます。

このヒストグラムでは、サンプル観測値は規格限界内にありますが、分布曲線のピークは目標で中心化していません。ほとんどのデータは目標値を上回り、上側規格限界に近くなっています。

ステップ3:工程能力を評価する

主要な工程能力インデックスを使用して、工程の要件に対する適合度を評価します。

サブグループ間/内工程能力を評価する

位置と広がりの両方を考慮して、サブグループ間/内工程能力を評価するには、Cpkを使用します。一般に、値が高いほど工程能力が高いことを示します。Cpk値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。

  • Cpkを、工程で許容できる最低値を表すベンチマークと比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。Cpkがベンチマークより低い場合、工程の変動を低減したり、位置をシフトするなど、工程を改善する方法を検討します。

  • CpとCpkを比較します。CpとCpkがほぼ等しい場合は、その工程は規格限界間の中央に中心があります(中心化)。CpとCpkが異なる場合、工程は中心化されていません。

主要な結果: Cpk

これらの工程データの場合、Cpkは1.09になっています。Cpkが1.33より小さいため、この工程のサブグループ間/内工程能力は顧客の要件を満たしていません。工程データは、下側規格限界に近すぎます。工程が中心化されていないため、CpkはCp(2.76)と等しくなりません。

全体の工程能力を評価する

工程位置と工程広がりの両方に基づいて全体の工程能力を評価するには、Ppkを使用します。全体の工程能力は、時間の経過とともに顧客が実際に経験する工程性能を示します。

一般に、Ppk値が高い 場合は、工程能力が高いことを示します。Ppk値が低い場合は、その工程を改善する必要があることを示します。

  • Ppkを、工程で許容できる最低値を表すベンチマーク値と比較します。多くの業界でベンチマーク値1.33が使用されています。Ppkがベンチマークより低い場合、工程を改善する方法を検討します。

  • PpとPpkを比較します。PpとPpkがほぼ等しい場合は、その工程は規格限界内で中心化しています。PpとPpkが異なる場合、工程は中心化されていません。

  • CpkとPpkを比較します。PpkがCpkより著しく大きい場合、工程には、サブグループ間とサブグループ内の変動の他に、系の変動のその他の要因が存在する可能性があります。
主要な結果: Ppk

これらの工程データの場合は、Ppk = 0.52となります。Ppkが1.33より小さいため、この工程の全体的な工程能力は顧客の要件を満たしていません。工程が中心化されているため、Ppk ≈ Pp(0.53)となります。ただし、Ppk < Cpk(0.72)の場合は、系の工程変動の追加要因が軽減または排除されれば全体の工程能力を改善可能なことを示しています。

重要

CpkおよびPpkインデックスにより、工程平均に最も近い規格限界に関してのみ工程能力が測定されます。したがって、これらのインデックスは工程曲線の片側のみを表し、工程曲線の他方の側での工程性能は測定されません。工程に両側の規格限界外になる不適合部品がある場合は、その他の工程能力の測度を使用して、工程性能をより詳しく評価します。