抜取検査は品質管理の中でも重要な要素で、不良品が合格になった場合のコストよりも検査コストの方が高い場合や、検査が破壊的である場合に有効です。この検査は、100%の検査を行うかまったく検査をしないかの間の妥協点です。特に、供給業者の工程の品質が未知の場合、抜取検査は、100%の検査よりも適した選択肢になるかもしれません。抜取検査は、製品の属性か測定値を対象に行うことができます。
抜取検査は、代表サンプルデータに基づき、入検材料の特定のロットを合格または不合格にする検査計画を作成するために使用できます。
たとえば、マイクロチップ10,000個が入荷したとします。10,000個すべてを検査するのは現実的ではありません。計数抜取計画を使用すると、何個のマイクロチップを検査する必要があるか(サンプルサイズ)、そしてそのサンプルで何個まで欠陥を許容できるか(許容数)を判断できます。
ここでは、合格品質水準(AQL)が1.5%、不合格となる品質水準(RQL)が5.0%、さらにα = 0.05、β = 0.1を仮定します。生成された抜取検査計画は、209個のマイクロチップを検査する必要があると示しています。検査した206個のうち不良品が6個以下であれば、入荷全体を合格とします。不良品が8個以上であれば、入荷全体を不合格にします。
たとえば、毎週2500本のプラスチックパイプを入荷していて、パイプの肉厚の測定値が規格を満たしていることを確認する必要があります。10,000個すべてを検査するのは現実的ではありません。変数抜取計画を使用すると、測定が必要なパイプの数(サンプルサイズ)とロット全体を合格または不合格にする基準(限界距離)を判断できます。
この場合、パイプの肉厚の下側規格は0.09インチです。α = 0.05、β = 0.1 と仮定し、合格品質水準(AQL)は100万個あたりの不良品数100個、不合格となる品質水準(RQL)は100万個あたりの不良品数300ということで供給業者と合意しています。生成された抜取計画は、760本のパイプを検査する必要があり、限界距離は3.55748であることを示しています。760本のパイプをサンプルとして検査し、Minitabの合格・不合格ツールを使用して、入荷を合格または不合格にすべきかどうかを示すことができます。