変数抜取検査計画の比較例

製造エンジニアは、2インチのパイプを受け入れる際、肉厚を確認するために変数抜取検査計画を実行しました。パイプの肉厚の下方規格は0.09インチです。エンジニアと供給業者は、AQLが100万個の不良品数100、RQLが100万個の不良品数300で合意します。この規定値に基づいて、エンジニアは2500本のロットごとに104本のパイプを無作為に抽出して測定します。計算されたZ値が限界距離(3.55750)より大きい場合、エンジニアはロット全体を合格とします。

当直長は、パイプを104本測定すると時間がかかりすぎると心配しています。当直長は、50本など、本数を減らして測定することを好んでいます。エンジニアは、複数の異なる抜取計画を調べて、各計画のデメリットとメリットを判断することに同意します。

  1. 統計 > 品質ツール > 変数抜取検査 > 作成/比較を選択します。
  2. ドロップダウンリストから、ユーザー定義による抜取計画の比較を選択します。
  3. 品質水準の単位で、100万個あたりの不良品数を選択します。
  4. 合格品質水準 (AQL)に、「100」と入力します。
  5. 不合格となる品質水準 (RQLまたはLTPD)に、「300」と入力します。
  6. サンプルサイズに、50 75 100 104と入力します。
  7. 限界距離 (k値)に、「3.55750」と入力します。
  8. 下側規格に、「0.09」と入力します。
  9. 標準偏差の経験値に、「0.025」と入力します。
  10. ロットサイズに、「2500」と入力します。
  11. OKをクリックします。

結果を解釈する

エンジニアは、異なる抜取計画のグラフを比較し、標本サイズがパイプ100本とパイプ104本の抜取計画がよく似ていることに気付きます。AQLとRQLの合格確率の変化は、わずか0.5%未満です(0.95 - 0.947)。AOQの変化とATIの変化も最小限です。

エンジニアはまた、パイプ50本の標本サイズでは品質レベルを十分に守れないと判断します。標本サイズ50本で。RQL(300PPM)のロットの合格確率は、18.7%です。さらに、合格とすべきAQL(100PPM)のロットの不合格確率は12.7%となり、生産者にとっては高すぎる数値です。

エンジニアはパイプ75本の抜取計画を検討します。供給業者がパイプの肉厚の変動を低減させることに同意すれば、合格確率のリスクは妥当に見えます。エンジニアは、パイプ75~100本の他の標本サイズを調査することにしました。

100万個あたりの不良品数におけるロット品質

方法

下側規格 (LSL)0.09
標準偏差の経験値0.025
ロットサイズ2500
   
合格品質水準 (AQL)100
不合格となる品質水準 (RQLまたはLTPD)300

ユーザー定義の計画を比較

サンプルサイズ(n)限界距離 (k)100万個あた
りの不良品数
合格確率不合格確率AOQATI
503.55751000.8730.12785.6360.4
503.55753000.1870.81354.92042.6
             
753.55751000.9190.08189.1271.3
753.55753000.1380.86240.12165.8
             
1003.55751000.9470.05390.9227.5
1003.55753000.1040.89630.02250.3
             
1043.55751000.9500.05091.1223.2
1043.55753000.1000.90028.62261.3

平均出検品質限界 (AOQL)

サンプルサイズ限界距離 (k)AOQL100万個あた
りの不良品数
503.557596.8148.3
753.5575101.0141.9
1003.5575104.2140.1
1043.5575104.6140.0
Z.LSL = (平均 - 下方規格)/標準偏差の経験値
Z.LSLがk以上の場合はロットを合格とし、それ以外の場合は不合格とします。