概要

Minitabは、多様な分析の必要性に応えるために、[グラフ]メニューに柔軟性に富む各種グラフを備えています。多くのカスタマイズオプションを利用してグラフを作成でき、グラフを作成した後もさらに多くのカスタマイズオプションが提供されます。

[グラフ]メニューから使用できるグラフに加え、管理図などの分析専用のグラフを[統計]メニューから使用できます。また、Minitabは、多くの統計分析の一部として、組み込みグラフを備えています。

変数ペアの関連性を調べる

変数の1つまたは複数のペアの関連性を調べる場合は、次のグラフを使用します。たとえば、次のことを評価できます。
  • 土壌のpHと植物の生育の関連性
  • オイルの粘度、製造年数、温度とレース用カーエンジンの加速度と磨耗の関連性
散布図

散布図を使用すると、2つの変数の関連性を評価できます。2つの変数の値は、各観測値をプロットするためのx座標とy座標として使用されます。Minitabで、グラフ > 散布図を選択します。

ビン分割散布図
データセットに多数の観測値が含まれている場合に、連続変数のペア間の関係を調べるのにビン分割散布図を使用します。Minitabで、グラフ > ビン分割散布図を選択します。
行列散布図

行列散布図を使用すると、複数の変数ペアの関連性を一度に評価できます。行列散布図は、個々の散布図を並べたものです。Minitabで、グラフ > 行列散布図を選択します。

バブルプロット
バブルプロットを使用すると、単一プロット上の3つの変数の関連性を調べることができます。散布図と同様に、バブルプロットはx変数に対するy変数をプロットします。ただし、バブルプロット上の記号(バブルとも呼ばれる)はサイズがさまざまです。各バブルの面積は、3つ目の変数の値を表しています。Minitabで、グラフ > バブルプロットを選択します。
周辺分布図
周辺分布図を使用すると、2つの変数の分布やそれらの関連性を評価できます。周辺分布図は、周辺にヒストグラム、箱ひげ図、またはドットプロットがある散布図です。Minitabで、グラフ > 周辺分布図を選択します。

分布を調査、比較する

次のような分布の特性を評価、比較する場合は、以下のグラフを使用します。
  • サンプル値が集中している場所。
  • サンプル分布が対称、または歪んでいるかどうか。
  • サンプルデータが特定の分布に適合するかどうか。
  • サンプル分布に現れる頂点の数(頂点が複数ある場合は、複数の母集団のデータが使用されています)。
  • サンプル内で最も一般的に観測される値。
ヒストグラム

ヒストグラムを使用すると、データの形状と中心傾向を評価したり、データが正規分布などの特定の分布に適合するかどうかを評価したりできます。Minitabで、グラフ > ヒストグラムを選択します。

バーは、連続区間またはビン内に含まれる観測値の数を表します。1つのバーで多数の観測値を表すことができるため、大量のデータを使用する場合はヒストグラムが最も効果的です。

ドットプロット

ドットプロットを使用すると、データの形状と中心傾向を評価できます。ヒストグラムと同様、ドットプロットもビンに分割されます。ただし、データ量が少ない場合、各ドットが1つまたは少数の観測値を表しているため、ドットプロットの方がヒストグラムよりも便利です。Minitabで、グラフ > ドットプロットを選択します。

ドットプロットは、データのグループを比較する場合も有効です。

幹葉図
幹葉図を使用すると、実際のデータ値をビン形式で表示できます。幹葉図プロットはドットプロットに似ていますが、次の特徴があります。幹葉図プロットは、次の場合に使用します。
  • サンプル値の最初の桁を使用してビンを判断する(たとえば、あるビンに0~9の値を使用し、別のビンには10~19の値を使用するなどです)。
  • ドットではなく個別値の数字を表示し、これらの各数字が1つの観測値を表します。
Minitabで、グラフ > 幹葉図を選択します。
確率プロット
確率プロットは、次の場合に使用します。
  • データが特定の分布にどの程度適合するかを判断する。適合の度合いは、データ点が適合ラインにどの程度沿っているかで示されます。
  • パラメータ推定値と推定される母集団百分位数を取得します。
  • サンプル分布を比較します。
Minitabで、グラフ > 確率プロットを選択します。

各観測値は、その推定累積確率を基準にしてプロットされます。適合分布が直線を形成するように、スケールが変換されます。

経験CDF
経験CDF(累積分布関数)グラフは、次の場合に使用します。
  • データが特定の分布にどの程度適合するかを判断する。階段状の関数が適合ラインに近接していれば、分布は良好に適合しています。
  • パラメータ推定値と推定される母集団百分位数を取得します。
  • サンプル分布を比較します。
Minitabで、グラフ > 経験CDFを選択します。

Minitabでは、ステップ関数がプロットされ、サンプルデータで観測された累積分布と、サンプルからのパラメータ推定値に基づいた適合累積分布が表示されます。

確率分布プロット
確率分布プロットは、次の場合に使用します。
  • 分布の形状を表示します。
  • 分布パラメータが分布の形状にどの程度影響を与えているかを理解します。
  • 信頼区間と仮説検定の概念を説明します。
  • 棄却値とp値を決定します。
Minitabで、グラフ > 確率分布プロットを選択します。
箱ひげ図

箱ひげ図を使用すると、中央値、範囲、対称性などの分布特性を評価、比較したり、外れ値を特定したりできます。Minitabで、グラフ > 箱ひげ図を選択します。

変数の要約や個々の値を比較する

要約値または個別のデータ値を比較する場合は、次のグラフを使用します。たとえば、次の比較が可能です。
  • 各製品の地域別の四半期平均販売数。
  • 塗装製品の混合方法別の粘度。
箱ひげ図

箱ひげ図を使用すると、サンプル分布の特性を評価および比較して、外れ値を探すことができます。Minitabで、グラフ > 箱ひげ図を選択します。

区間プロット

区間プロットを使用すると、平均と信頼区間を評価して比較できます。信頼区間を使用すると、グループの平均の差をグループ内分散に基づいて評価できます。Minitabで、グラフ > 区間プロットを選択します。

個別値プロット

個別値プロットを使用すると、個々のデータ点を評価、比較できます。Minitabで、グラフ > 個別値プロットを選択します。

このグラフは、グループ別にデータ点をプロットするため、外れ値と分布形状の確認が簡単に行えます。

ラインプロット

ラインプロットを使用すると、2つ以上のグループの応答パターンを比較できます。要約統計量は生データから計算できます。また、ワークシートの表から要約値をプロットすることもできます。Minitabで、グラフ > 折れ線グラフを選択します。

平行座標プロット
平行座標プロットを使用して、複数の変数間で並行座標の多くの系列または系列のグループを視覚的に比較します。Minitabで、グラフ > 平行座標プロットを選択します。
棒グラフ

棒グラフを使用すると、平均などの要約統計量をグループ別に比較できます。要約統計量は生データから計算できます。また、ワークシートの表から要約値をプロットすることもできます。Minitabで、グラフ > 棒グラフを選択します。

円グラフ
円グラフを使用すると、全体に対する各グループの相対的寄与を評価できます。円グラフは、ワークシートの要約値の表から生成されます。Minitabで、グラフ > 円グラフを選択します。

度数の分布の評価

一意値の計数をプロットする場合は、次のグラフを使用します。たとえば、次のプロットが可能です。
  • 製造部品の不合格の要因となった欠陥のタイプ別の数。
  • 選挙で各候補者が獲得した投票数。
棒グラフ
棒グラフを使用すると、最大4つのカテゴリ変数で度数の分布を比較できます。データは、生データ(1つの列内の各行が1つの観測値を表します)を使用したり、度数表(カテゴリ名が1つ以上の列で示され、要約データが別の列に示されます)を使用したりできます。Minitabで、グラフ > 棒グラフを選択します。
円グラフ
円グラフを使用すると、全体に対する個々のデータ値の比率を比較できます。データは、生データ(1つの列内の各行が1つの観測値を表します)を使用したり、度数表(カテゴリ名が1つの列で示され、要約データが別の列に示されます)を使用したりできます。Minitabで、グラフ > 円グラフを選択します。

一連のデータを時系列にプロットする

Minitabには、時間の経過に伴うデータのパターンを表示できるツールがいくつかあります。たとえば、次のツールを使用して、会社の月間売上高を調べることができます。

時系列プロット

時系列プロットは、データが等間隔で収集され、ワークシートに時系列順にまとめられている場合に使用します。Minitabで、グラフ > 時系列プロットを選択します。

観測値は、X軸の等間隔の時間区間に対してY軸にプロットされます。

面グラフ

面グラフを使用すると、時間の経過に伴って合計の構成がどのように変化するかを調べることができます。Minitabで、グラフ > 面グラフを選択します。

積み重なった一連の変数が、x軸の等間隔の時間区間に対してy軸にプロットされます。グラフの各線は累積和です。

結線を使用した散布図

結線を使用した散布図は、データが不規則な間隔で収集されている場合や、データがワークシートに時系列順にまとめられていない場合に使用します。ワークシートから時間変数を指定する必要があります。Minitabで、グラフ > 散布図 > 結線を選択します。

このグラフでは、観測値がX軸の時間に対してY軸にプロットされます。

3つの変数の関連性を調べる

単一のプロットに3つの変数を表示する場合は、次のグラフを使用します。たとえば、温度と湿度が塗装の乾燥時間に及ぼす影響を評価することができます。

等高線プロット
等高線プロットを使用すると、測定値を他の2つの変数の関数としてマップできます。等高線プロットでは、類似するz値は、xy平面上に等高線ラインと色付きの帯で表されます。Minitabで、グラフ > 等高線プロットを選択します。
3D散布図
3D散布図を使用すると、x、y、z変数で定義される3次元空間に個々の観測値をプロットできます。Minitabで、グラフ > 3D散布図を選択します。
3D曲面プロット

3D曲面プロットを使用すると、x、y、z変数に基づいて3次元曲面を作成できます。Minitabで、グラフ > 3D曲面プロットを選択します。

3D曲面プロットは、個々のデータ点ではなく、連続した曲面(曲面プロット)またはz値のグリッド(ワイヤフレームプロット)が表示される点を除き、3D散布図に似ています。

バブルプロット
バブルプロットを使用すると、単一プロット上の3つの変数の関連性を調べることができます。散布図と同様に、バブルプロットはx変数に対するy変数をプロットします。ただし、バブルプロット上の記号(バブルとも呼ばれる)はサイズがさまざまです。各バブルの面積は、3つ目の変数の値を表しています。Minitabで、グラフ > バブルプロットを選択します。

組み込みのグラフ

組み込みのグラフとは、多くのMinitab統計分析の一部として、データを確認したり統計的仮定を検証するために表示されるグラフです。分析を実行するときに、出力の一部として組込みのグラフを生成することを選択できます。

たとえば、回帰分析を実行する場合に、残差のヒストグラム、残差の正規確率プロット、残差対適合値、および残差対データ順序の中から1つ以上のグラフを選択して作成するか、一覧表示を選択できます。この場合、1つのグラフレイアウトにすべてのグラフがまとめて表示されます。この場合、1つのグラフウィンドウにすべてのグラフが表示されます。