混合効果モデルを適合の主要な結果を解釈する

混合効果モデルを解釈するには、次の手順を実行します。

ステップ1:ランダム項が応答に大きく影響するかどうかを判断する

ランダム項が応答に大きく影響するかどうかを判断するには、分散成分表の項のp値を有意水準と比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には効果が無い場合に、効果があると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。
p値 ≤ α:ランダム項は応答に大きく影響している
p値が有意水準以下であれば、ランダム項が応答に対して大きく影響すると結論付けることができます。これは、ランダム項の分散は0と有意差があることを意味します。
p値 > α:ランダム項は応答に大きく影響しない
p値が有意水準より大きい場合、ランダム項が応答に対して大きく影響すると結論付けることはできません。有意でない項無しでモデルを再適合し、他の結果に対する項の効果を評価してみてください。
分散成分 標準偏 要因 分散 合計の% 差の分散 Z-値 p値 畑 0.077919 72.93% 0.067580 1.152996 0.124 誤差 0.028924 27.07% 0.010562 2.738613 0.003 合計 0.106843 -2対数尤度 = 7.736012
主要な結果:p値

この結果では、畑はランダム項で畑のp値は0.124です。この値は0.05よりも大きいため、畑が異なることは収穫量の差に影響すると結論付けるだけの十分な証拠はありません。

ステップ2:固定効果項が応答に大きく影響するかどうかを判断する

項が応答に大きく影響するかどうかを判断するには、p値を有意水準と比較します。通常は、有意水準(αまたはアルファとも呼ばれる)として0.05が適切です。0.05の有意水準は、実際には影響が無い場合に、影響があると結論付けてしまうリスクが5%であるということを示します。

各p値の解釈は、それが固定因子項の係数のなのか、共変量項の係数のなのかによって異なります。

固定因子項

固定因子項の場合、帰無仮説は固定因子項が応答に大きく影響しないという仮定です。
p値 ≤ α:固定因子項は応答に大きく影響している

p値が有意水準以下であれば、固定因子項が応答に対して大きく影響すると結論付けることができます。帰無仮説の棄却は、1つの水準効果が項の他の水準効果と有意に異なっていることを示します。

p値 > α:固定因子項は応答に大きく影響しない
p値が有意水準より大きい場合、固定因子項が応答に対して大きく影響すると結論付けることはできません。項を持たないモデルを再適合したいと考えるかもしれません。

共変量項

共変量項の場合の帰無仮説は、項と応答に関連性がないという仮定です。
p値 ≤ α:関連性は統計的に有意である
p値が有意水準以下の場合は、応答と共変量項の間に統計的に有意な関連性が存在すると結論付けることができます。
p値 > α:その関連性は統計的に有意ではない
p値が有意水準より大きい場合は、応答と共変量項の間に統計的に有意な関連性があると結論付けることはできません。共変量項なしでモデルを再適合してみてください。
固定効果の検定 項 DF 分子 DF 分母 F値 p値 品種 5.00 15.00 26.29 0.000
主要な結果:p値

「品種」は固定因子項で、品種の項のp値は0.000未満です。この値は0.05よりも小さいため、水準平均はすべて同等ではなく、つまりアルファルファの品種は収穫量に対して影響を持つと結論付けることができます。

主効果に関して理解を深めたい場合は、要因計画プロットを参照してください。

ステップ3:データに対するモデルの適合度を判断する

データに対するモデルの適合度を判断するために、モデル要約表の適合度統計量を調査します。

S

Sは誤差項の推定標準偏差です。Sの値が小さいほど、条件付き適合式により、選択した因子設定で応答がより適切に算出されます。ただし、S値だけではモデルの適合性を完全に表すことはできません。他の表や残差プロットの主要な結果も調査してください。

R二乗

R2は、モデルで説明される応答の変動のパーセントです。値は1から誤差平方和(モデルによって説明されない変動)の全体平方和(モデルの変動合計)に対する比を減じて算出します。

R二乗(調整済み)

同じ共分散構造を持ちながら固定因子と共変量の数が異なるモデルを比較したい場合は、調整済みR2を使用します。モデルの共分散構造が同じであると仮定すると、R2の値は固定因子または共変量を追加すると大きくなります。調整済みR2値にはモデルに含まれる固定因子や共変量の数が組み入れられるため、正しいモデルの選択に役立ちます。

R2の値を解釈するとき、以下の点を考慮してください。
  • モデルのパラメータでより正確で偏りの少ない推定値を得るためには、通常、データセットに含まれる行数はモデルに含まれるパラメータ数よりはるかに多くなければなりません。ランダム項の分散成分に対してある程度良い推定値を得るには、各変量因子において十分な数の代表的水準がある必要があります。

  • R2は、データに対するモデルの適合度をを測る1つの測度にすぎません。モデルのR2が大きい場合でも、残差プロットを確認し、モデルが仮定を満たしているか検証する必要があります。

モデル要約 R二乗 (調 S R二乗 整済み) 0.170071 92.33% 90.20%
主要な結果:S、R二乗、R二乗(調整済み)

この結果では、ランダム誤差項の推定標準偏差(S)は0.17です。モデルによってアルファルファ生産高の変動の92.33%が説明されます。モデルに含まれる固定因子パラメータ数を調整すると、パーセンテージは90.2%まで落ちます。

ステップ4:固定効果項の各水準が応答にどのように影響するかを評価する

p値により、項が有意であることが示されている場合、項の係数を調査して項と応答の関係を把握することができます。各係数の解釈は、それが固定因子項の係数なのか、共変量項の係数なのかによって異なります。

固定因子項の係数は、項に対する水準平均がどのように異なるかを示します。項の多重比較分析を行って、水準効果を統計的に同じグループ、または統計的に異なるグループにさらに分類することもできます。

共変量項の係数は、モデル内の他の全ての項が同じとき、その項の1単位分の変化に関連付けられた平均応答の変化を表します。係数の符号は項と応答の関係の方向を示します。係数の大きさは、応答変数に対する項の実質的な有意性を評価するのに役立ちます。

係数 係数の標 項 係数 準誤差 自由度 t値 p値 定数 3.094583 0.143822 3.00 21.516692 0.000 品種 1 0.385417 0.077626 15.00 4.965016 0.000 2 0.145417 0.077626 15.00 1.873287 0.081 3 0.107917 0.077626 15.00 1.390205 0.185 4 -0.319583 0.077626 15.00 -4.116938 0.001 5 0.395417 0.077626 15.00 5.093838 0.000
主要な結果:係数

実験で使用した6品種のアルファルファのうち、出力では5品種に対する係数が表示されています。デフォルトでは、完全な多重共線性を避けるために1つの因子水準が削除されます。主効果の係数は各水準毎の平均と全体平均の差を表します。たとえば、「品種1」の生産高は全体平均よりおよそ0.385単位大きくなっています。

ステップ5:モデルが分析の仮説を満たすかどうか判断する

残差プロットを使用して、モデルが適切か、分析の仮定が満たされているかどうかを判断しやすくします。仮定を満たさない場合、そのモデルはデータにあまり適合しない可能性があり、結果の解釈は慎重に行う必要があります。

周辺残差や条件付き残差をプロットすることができます。周辺残差は、変量因子の水準に制限がない場合、観測された応答値とそれに対応する推定平均応答の差に等しい値です。それに対して変量因子の特定の水準では、条件付き残差は観測された応答値とそれに対応する条件付き平均応答の差に等しい値になります。条件付き残差を使用して、モデル内の誤差項の正規性を確認できます。

残差対適合値プロット

残差対適合値グラフでは、y軸に残差が、x軸に適合値がプロットされます。この表を使用し、他の行よりも残差がはるかに大きいデータが含まれる行を特定します。それらの行を詳細に調査して、データが正しく収集されたかどうかを確認します。それに加え、このプロットからは検討すべき変数がある可能性を示す、残差の特定のパターンを探すこともできます。

残差対順序プロット

残差対データ順序プロットには、データの収集順に残差が表示されます。この表を使用し、他の行よりも残差がはるかに大きいデータが含まれる行を特定します。それらの行を詳細に調査して、データが正しく収集されたかどうかを確認します。時間順序においてプロットにパターンが表れている場合、時間依存的な項をモデルに追加することでパターンを取り除くことができます。

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